フロップ戦略
BTN vs BB のフロップ戦略:30フロップの c-bet 頻度とサイズ
BTN がオープンして BB がコールする形は、6-max で最も頻繁に出てくるシングルレイズドポットです。BTN は広いレンジでオープンし、BB も広く守るため、フロップの種類によって有利・不利が大きく入れ替わります。この記事では 30 種類の代表フロップの解から、BTN の c-bet と BB の対応を整理します。
全体の傾向
ポットは 5.5bb、有効スタックは 97.5bb です。BB が先に行動し、ほとんどの場合チェックします。BB がチェックしたあと、BTN は次のように打ちます(30 フロップを出現頻度で重み付けした平均)。
BTN は全体の6割ほどで c-bet し、その大半は 33% の小さいサイズです。ただしこれは平均であり、ボードによって c-bet 頻度は 40% 台から 100% まで大きく変わります。30 フロップのうち 14 フロップでは c-bet 頻度が 60% を下回り、4 フロップではチェックのほうが多くなります。「BTN は常に c-bet する」という単純なルールでは、こうしたボードで打ちすぎることになります。
c-bet が多いボード:ペアボード
c-bet 頻度が最も高いのはペアボードです。Q♦Q♣5♥ では 94.5%、J♦J♣4♣ では 91.3% で、そのほとんどが 33% サイズです。ほぼレンジ全体でベットする「レンジベット」に近い打ち方になります。
ペアボードでは、フロップで強いハンドを作れる組み合わせが限られています。BTN はオフスートのブロードウェイなど高いカードを多く持ち、オーバーペアやトリップスの割合で BB を上回ります。一方で BB もトリップスを持つことがあり、圧倒的な差があるわけではありません。そこで、小さいサイズで広く打って、BB の弱いハンドに降りてもらうのが最も効率的になります。
例外的なのが 8♥8♦8♣ のような3枚とも同じランクのボードです。c-bet は 100% ですが、サイズは 75% が 80.3% を占めます。両者ともほとんどのハンドが役なしになるため、オーバーカードの多い BTN のレンジが強く、大きく打っても BB は守りにくいのです。
A ハイのボードは意外と打たない
「A が落ちたらレイザー有利だから c-bet」と考えがちですが、BTN vs BB の解では A ハイのボードの c-bet 頻度は低めです。A♣7♦4♥ は 48.1%、A♣Q♦4♦ は 44.8%、A♣T♣5♣ は 44.1% で、30 フロップの中で最も打たないグループに入ります。
理由は、BB のディフェンスレンジにも A を含むハンドが多いことです。BB は BTN のオープンに対して 44.1% を守り、スーテッドのエースや A9o〜A5o のようなオフスートのエースの多くをコールで守ります。BB のコールレンジのおよそ4分の1は A を含むハンドです。BTN のオープンレンジも 41.5% と広く、A を持っていない弱いハンドの割合も高いため、A ハイのボードで一方的に有利とは言えないのです。
サイズの使い分けも特徴的です。A♣Q♦4♦ では c-bet の大半(37.1%)が 75% サイズで、33% はわずか 7.7% です。一方 A♣7♦4♥ では 33% が 41.7%、75% が 6.4% と逆になります。2枚目に Q のような高いカードがあり、フラッシュドローもあるボードでは、強いハンドとドローの両方に大きく打つ価値が出ます。サイズの使い分けは33%と75%の使い分けの記事で詳しく扱います。
ローボードでは BB が反撃する
BB がチェックせずに先にベットする「ドンクベット」は全体平均では 4.4% と少ないものの、ローボードでは大きく増えます。7♣5♦4♦ では 27.7%、8♣6♣4♣ では 20.9%、6♦6♣4♣ では 19.1% の頻度で BB が先にベットします。
BB のコールレンジは、AA〜QQ や AK のような強いハンドを 3ベットに回した残りで、22〜44 のような小さいペアや 64s・53s・43s のような低いスーテッドハンドをほぼ 100% 含んでいます。BTN のオープンレンジにも低いハンドはありますが、それ以上に K や Q を含む高いカードのハンドが多く、7-5-4 には当たりません。実際に 7♣5♦4♦ で2ペア以上(2ペア・セット・ストレート)になっている割合を数えると、BB のレンジは 5.7%、BTN のレンジは 3.5% で、強い役の割合では BB が上回ります。こうしたボードでは、BB がチェックして BTN に主導権を渡すよりも、自分から打っていくほうが利益になるのです。
BB の守り方
BTN の c-bet に対して、BB はサイズによって守り方を変えます。
| BTN の c-bet | フォールド | コール | レイズ | 内訳 |
|---|---|---|---|---|
| 33% | 34.2% | 52.9% | 13.0% | |
| 75% | 51.3% | 40.5% | 8.2% |
BB がチェックした頻度ぶんの重みで集計。
33% の c-bet にはおよそ3分の1しか降りず、レイズも 13.0% あります。小さいサイズは BTN にとってリスクが小さい反面、BB に安くドローを追わせ、チェックレイズの機会も与えます。75% の c-bet には約半分が降ります。どちらのサイズでも、BB が守る割合は MDF(最低防衛頻度)より低くなっています。その理由はc-betを受けたBBのディフェンスで解説します。
30 フロップの一覧
| フロップ | 種類 | BTN c-bet | 内訳(75% / 33% / チェック) | BB vs 33% フォールド | BB vs 75% フォールド |
BB ドンク |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 8♥8♦8♣ | 9以下・ペア・レインボー | 100.0% | 33.3% | 55.2% | 0.0% | |
| Q♦Q♣5♥ | Q〜Tハイ・ペア・レインボー | 94.5% | 31.9% | 50.4% | 0.0% | |
| A♦A♣T♣ | Aハイ・ペア・ツートーン | 92.1% | 43.5% | 58.0% | 0.1% | |
| J♦J♣4♣ | Q〜Tハイ・ペア・ツートーン | 91.3% | 38.3% | 54.9% | 13.3% | |
| Q♦Q♣T♥ | Q〜Tハイ・ペア・レインボー | 88.9% | 42.1% | 57.6% | 0.0% | |
| J♦J♣9♣ | Q〜Tハイ・ペア・ツートーン | 77.6% | 36.5% | 53.3% | 0.4% | |
| 8♣6♣4♣ | 9以下・モノトーン・コネクト | 71.4% | 34.6% | 51.8% | 20.9% | |
| 6♦6♣4♣ | 9以下・ペア・ツートーン | 71.2% | 34.0% | 51.9% | 19.1% | |
| 7♦7♣4♥ | 9以下・ペア・レインボー | 67.9% | 35.7% | 52.6% | 16.6% | |
| A♣Q♦T♦ | Aハイ・ツートーン・コネクト | 67.5% | 36.8% | 52.3% | 0.0% | |
| Q♣7♦4♥ | Q〜Tハイ・レインボー | 65.4% | 30.5% | 49.4% | 0.1% | |
| Q♣J♦6♥ | Q〜Tハイ・レインボー | 64.9% | 37.1% | 53.3% | 0.0% | |
| Q♣5♦5♣ | Q〜Tハイ・ペア・ツートーン | 64.4% | 36.2% | 53.7% | 9.8% | |
| Q♣5♥5♦ | Q〜Tハイ・ペア・レインボー | 62.5% | 34.7% | 53.2% | 7.5% | |
| 7♣5♦4♦ | 9以下・ツートーン・コネクト | 60.2% | 31.2% | 49.6% | 27.7% | |
| Q♣8♦6♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 60.0% | 33.9% | 50.4% | 0.1% | |
| 8♣6♦3♦ | 9以下・ツートーン | 59.8% | 29.3% | 48.2% | 1.2% | |
| J♣6♣3♣ | Q〜Tハイ・モノトーン | 59.5% | 36.6% | 52.9% | 11.0% | |
| T♣7♦4♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 57.8% | 29.9% | 47.4% | 0.5% | |
| Q♣J♦6♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 55.6% | 35.8% | 52.0% | 0.0% | |
| Q♣5♦3♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 55.6% | 31.9% | 49.5% | 5.8% | |
| Q♣9♦3♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 55.4% | 34.2% | 50.8% | 0.1% | |
| A♣Q♦6♥ | Aハイ・レインボー | 53.9% | 37.7% | 52.5% | 0.1% | |
| Q♣T♣6♣ | Q〜Tハイ・モノトーン | 53.5% | 37.0% | 53.4% | 11.4% | |
| 8♣6♦4♥ | 9以下・レインボー・コネクト | 52.2% | 29.2% | 47.4% | 4.6% | |
| A♣6♦3♦ | Aハイ・ツートーン | 50.0% | 39.1% | 54.9% | 6.4% | |
| A♣7♦4♥ | Aハイ・レインボー | 48.1% | 38.5% | 55.1% | 7.7% | |
| A♣T♦6♦ | Aハイ・ツートーン | 45.6% | 38.3% | 53.5% | 0.7% | |
| A♣Q♦4♦ | Aハイ・ツートーン | 44.8% | 34.4% | 50.4% | 1.1% | |
| A♣T♣5♣ | Aハイ・モノトーン | 44.1% | 38.2% | 54.4% | 13.3% |
c-bet の高い順。「c-bet」は BTN が BB のチェックを受けてベットする割合。BB の数値は、それぞれのサイズのベットを受けたときにフォールドする割合。ポット 5.5bb・有効スタック 97.5bb、ソルバーの誤差(exploitability)は各解ともポットの 0.5% 以下。
実戦で使える目安
- ペアボード(特に高いペア)は、33% で広く c-bet。 Q♦Q♣5♥ や J♦J♣4♣ では 90% 以上。
- A ハイは「必ず打つ」ではない。 半分前後しか打たず、2枚目が高くドローがあるなら大きいサイズ、ドライなら小さいサイズ。
- ローボードは BB の土俵。 BB は 20% を超える頻度でドンクベットし、BTN は c-bet を絞る。
- BB は 33% には広く、75% には半分ほど守る。 小さい c-bet にはレイズも混ぜる。
同じ形で、相手が CO になるとどう変わるかはCO vs BBの記事で比較しています。
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