GTO 戦略ガイド 6-MAX · 100BB

フロップ戦略

UTG・MP vs BB のフロップ戦略:狭いレンジのオープンに対して

UTG や MP からのオープンは、6-max の中で最も狭いレンジです。BB はそれに合わせて守る範囲を絞りますが、それでもボードによっては BB が主導権を握る場面があります。この記事では、アーリーポジション(UTG・MP)のオープンに BB がコールしたフロップを、それぞれ 30 種類ずつ集計しました。

狭いレンジどうしの戦い

UTG のオープンは 17.6%、MP は 21.5% で、どちらもペアと強い A、K、ブロードウェイが中心です。BB は UTG に対して 27.4%、MP に対して 29.6% しか守りません。

BB が UTG のオープンに対してコールするハンドは、AA〜QQ や AK の大半を 3ベットに回した残りです。そのため BB のコールレンジは「強すぎるハンドがほとんどない」状態になります。このレンジの上限の差が、フロップの戦略に大きく影響します。

全体の数字:後ろの席のオープンとの比較

マッチアップc-bet 合計33%75%BB ドンクBB vs 33% フォールドBB vs 75% フォールド
BTN vs BB 60.6%40.0%20.6% 4.4%34.2%51.3%
CO vs BB 56.5%33.7%22.8% 8.1%35.8%52.6%
MP vs BB 57.7%36.0%21.7% 10.8%38.0%54.3%
UTG vs BB 58.1%35.6%22.5% 11.1%38.9%54.9%

30 フロップを出現頻度で重み付けした平均。

平均の c-bet 頻度は BTN vs BB とあまり変わりません。違いが出るのは、BB のドンクベットが BTN 戦の2倍以上に増えることと、BB が c-bet に降りる割合が高くなることです。オープン側のレンジが強いぶん、BB は c-bet に対して慎重になり、その代わりに自分が有利なボードでは先に打って出ます。平均は似ていても、ボードごとの中身はまったく違います。

A ハイと高いペアボードはオープン側の独壇場

UTG のレンジには AK・AQ・AJ のような強いエースが詰まっています。A ハイのボードでの c-bet 頻度を比べると、BTN vs BB の平均が約 51% なのに対して、UTG vs BB では約 64% に上がります(ボードテクスチャの記事を参照)。

高いペアボードも同様で、Q♦Q♣5♥ では UTG が 99.8%、MP が 100% の c-bet を 33% サイズで打ちます。このボードでトリップス以上になっている割合は、UTG のレンジが 13.6%、BB のレンジが 11.2% です。さらに UTG は AA や KK のような強いオーバーペアを持っていますが、BB はそれらをプリフロップで 3ベットに回しているため、コールレンジにはほとんど残っていません。強い側の層の厚さで上回るオープン側は、レンジ全体で小さく打つのが最も効率的になります。

ローボードでは BB が半分以上ドンクする

このマッチアップで最も特徴的なのが、ローボードでの BB のドンクベットです。

フロップBB ドンク vs UTGBB ドンク vs MP参考:vs BTN
7♣5♦4♦60.1%59.0%27.7%
8♣6♦4♥57.5%50.9%4.6%
6♦6♣4♣32.5%34.3%19.1%
8♣6♦3♦28.8%27.3%1.2%
7♦7♣4♥28.7%28.3%16.6%

7♣5♦4♦ では、BB はレンジの6割で UTG より先にベットします。このボードで2ペア以上(2ペア・セット・ストレート)になっている割合を数えると、BB のレンジは 7.7%、UTG のレンジは 2.1% しかありません。UTG のレンジの中心である AK や AQ、ブロードウェイはこのボードにまったく当たらず、オーバーペアでさえ BB のストレートやセットには勝てません。

UTG の側は、こうしたボードで c-bet を大きく減らします。8♣6♦4♥ での UTG の c-bet 頻度は 42.8% で、30 フロップの中で最も低い値です。「プリフロップでレイズしたから c-bet する」のではなく、ボードがどちらのレンジに当たっているかで打つかどうかが決まることがよく分かります。

A ハイのモノトーンという例外

A ハイのボードはオープン側が有利と書きましたが、例外もあります。A♣T♣5♣ では、BB が UTG に対して 25.8%、MP に対して 21.0% の頻度でドンクベットします。BTN 戦では 13.3% です。

3枚とも同じスートのボードでは、すでにフラッシュが完成しているハンドが最も強い部類になります。BB はスーテッドのハンドを広く守っており、低いスーテッドハンドでフラッシュを持つことがあります。実際にフラッシュ以上になっている割合を数えると、BB のレンジは 8.1%、UTG のレンジは 3.8% です。UTG のレンジは A を持つ割合こそ高いものの、スーテッドの低いハンドが少なく、最も強い役の割合では BB が上回るのです。

フロップ別の一覧(UTG・MP)

UTG vs BB

75% ベット33% ベットチェック
フロップ種類 UTG c-bet内訳(75% / 33% / チェック) BB vs 33%
フォールド
BB vs 75%
フォールド
BB
ドンク
A♦A♣T♣Aハイ・ペア・ツートーン 100.0% 56.6%69.4% 2.7%
8♥8♦8♣9以下・ペア・レインボー 99.9% 35.3%53.7% 0.0%
Q♦Q♣5♥Q〜Tハイ・ペア・レインボー 99.8% 40.8%57.4% 0.2%
A♣Q♦T♦Aハイ・ツートーン・コネクト 96.5% 49.2%62.0% 0.0%
J♦J♣4♣Q〜Tハイ・ペア・ツートーン 86.9% 40.8%58.5% 2.7%
Q♦Q♣T♥Q〜Tハイ・ペア・レインボー 86.6% 49.2%63.0% 0.3%
J♦J♣9♣Q〜Tハイ・ペア・ツートーン 82.5% 40.9%58.4% 0.5%
Q♣T♣6♣Q〜Tハイ・モノトーン 72.2% 39.4%55.7% 4.7%
8♣6♣4♣9以下・モノトーン・コネクト 68.1% 31.0%49.8% 14.8%
A♣Q♦6♥Aハイ・レインボー 67.6% 51.9%64.0% 0.0%
A♣T♦6♦Aハイ・ツートーン 67.4% 45.5%60.9% 0.2%
Q♣J♦6♦Q〜Tハイ・ツートーン 66.0% 42.1%57.5% 0.0%
Q♣J♦6♥Q〜Tハイ・レインボー 64.7% 45.0%58.5% 0.0%
A♣T♣5♣Aハイ・モノトーン 63.1% 49.8%63.9% 25.8%
J♣6♣3♣Q〜Tハイ・モノトーン 62.2% 37.8%54.7% 5.8%
A♣Q♦4♦Aハイ・ツートーン 62.1% 46.3%60.7% 0.5%
Q♣9♦3♦Q〜Tハイ・ツートーン 58.4% 36.9%52.9% 0.0%
Q♣5♥5♦Q〜Tハイ・ペア・レインボー 55.3% 41.2%56.2% 2.7%
Q♣8♦6♦Q〜Tハイ・ツートーン 52.5% 34.3%51.1% 0.7%
A♣6♦3♦Aハイ・ツートーン 51.8% 44.9%59.7% 7.1%
Q♣5♦5♣Q〜Tハイ・ペア・ツートーン 51.1% 40.5%55.6% 4.4%
7♣5♦4♦9以下・ツートーン・コネクト 49.4% 33.9%49.9% 60.1%
T♣7♦4♦Q〜Tハイ・ツートーン 49.1% 29.5%48.4% 8.6%
Q♣7♦4♥Q〜Tハイ・レインボー 48.5% 34.7%51.8% 1.1%
8♣6♦3♦9以下・ツートーン 48.4% 30.0%48.3% 28.8%
7♦7♣4♥9以下・ペア・レインボー 48.4% 34.0%51.5% 28.7%
A♣7♦4♥Aハイ・レインボー 48.1% 44.8%59.9% 8.6%
6♦6♣4♣9以下・ペア・ツートーン 47.1% 36.8%54.0% 32.5%
Q♣5♦3♦Q〜Tハイ・ツートーン 43.6% 35.8%52.0% 5.1%
8♣6♦4♥9以下・レインボー・コネクト 42.8% 31.1%48.3% 57.5%

c-bet の高い順。「c-bet」は UTG が BB のチェックを受けてベットする割合。BB の数値は、それぞれのサイズのベットを受けたときにフォールドする割合。ポット 5.5bb・有効スタック 97.5bb、ソルバーの誤差(exploitability)は各解ともポットの 0.5% 以下。

MP vs BB

75% ベット33% ベットチェック
フロップ種類 MP c-bet内訳(75% / 33% / チェック) BB vs 33%
フォールド
BB vs 75%
フォールド
BB
ドンク
Q♦Q♣5♥Q〜Tハイ・ペア・レインボー 100.0% 41.2%57.9% 0.0%
8♥8♦8♣9以下・ペア・レインボー 100.0% 34.7%55.0% 0.0%
A♦A♣T♣Aハイ・ペア・ツートーン 99.5% 52.4%66.0% 1.7%
Q♦Q♣T♥Q〜Tハイ・ペア・レインボー 90.9% 50.2%63.0% 0.6%
J♦J♣4♣Q〜Tハイ・ペア・ツートーン 87.9% 40.1%57.9% 7.4%
A♣Q♦T♦Aハイ・ツートーン・コネクト 87.3% 47.3%60.1% 0.3%
J♦J♣9♣Q〜Tハイ・ペア・ツートーン 82.9% 39.1%57.0% 0.5%
8♣6♣4♣9以下・モノトーン・コネクト 67.8% 32.0%50.4% 19.2%
Q♣J♦6♥Q〜Tハイ・レインボー 67.4% 44.1%57.8% 0.0%
Q♣J♦6♦Q〜Tハイ・ツートーン 66.9% 40.7%56.4% 0.0%
Q♣T♣6♣Q〜Tハイ・モノトーン 66.1% 39.4%55.7% 5.6%
A♣T♦6♦Aハイ・ツートーン 62.9% 43.4%59.2% 0.1%
J♣6♣3♣Q〜Tハイ・モノトーン 61.3% 37.4%54.0% 8.4%
A♣T♣5♣Aハイ・モノトーン 59.9% 46.0%61.5% 21.0%
A♣Q♦6♥Aハイ・レインボー 57.3% 49.0%61.1% 0.1%
Q♣8♦6♦Q〜Tハイ・ツートーン 55.2% 34.6%51.3% 0.7%
A♣Q♦4♦Aハイ・ツートーン 54.0% 42.6%57.7% 2.0%
Q♣5♥5♦Q〜Tハイ・ペア・レインボー 53.4% 40.2%55.3% 4.6%
7♣5♦4♦9以下・ツートーン・コネクト 53.0% 33.3%49.8% 59.0%
Q♣9♦3♦Q〜Tハイ・ツートーン 52.9% 36.5%53.0% 0.0%
6♦6♣4♣9以下・ペア・ツートーン 52.8% 36.3%53.0% 34.3%
8♣6♦3♦9以下・ツートーン 51.8% 30.3%48.8% 27.3%
T♣7♦4♦Q〜Tハイ・ツートーン 51.2% 31.8%50.1% 5.4%
7♦7♣4♥9以下・ペア・レインボー 50.4% 33.5%51.5% 28.3%
Q♣5♦5♣Q〜Tハイ・ペア・ツートーン 50.0% 40.1%55.5% 6.8%
A♣6♦3♦Aハイ・ツートーン 49.9% 41.6%57.2% 5.6%
Q♣7♦4♥Q〜Tハイ・レインボー 47.4% 33.5%51.5% 2.7%
8♣6♦4♥9以下・レインボー・コネクト 45.7% 31.8%49.0% 50.9%
A♣7♦4♥Aハイ・レインボー 44.9% 41.4%57.3% 6.9%
Q♣5♦3♦Q〜Tハイ・ツートーン 43.9% 35.4%51.3% 5.1%

c-bet の高い順。「c-bet」は MP が BB のチェックを受けてベットする割合。BB の数値は、それぞれのサイズのベットを受けたときにフォールドする割合。ポット 5.5bb・有効スタック 97.5bb、ソルバーの誤差(exploitability)は各解ともポットの 0.5% 以下。

実戦で使える目安

BB が IP になる唯一のスポット、SB vs BB では、これまでとは逆の構図になります。

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