フロップ戦略
SB vs BB のフロップ戦略:レイザーが先に動くスポット
SB がオープンして BB がコールすると、プリフロップでレイズした SB がフロップ以降は先に行動しなければなりません。レイザーがポジションを持てない、6-max の中で唯一の形です。この記事では、SB の c-bet と、IP に立つ BB の戦い方を 30 フロップの解から見ていきます。
ほかのスポットとの違い
SB のオープンは 3.0bb で、オープン率は 42.7% と BTN 並みに広くなっています。BB はこれに対して 58.6% と、すべてのオープンの中で最も広く守ります。フロップのポットは 6.0bb、有効スタックは 97.0bb です。
ほかのマッチアップでは、BB が先にチェックし、それを受けてレイザーが c-bet するかどうかを決めていました。SB vs BB では順番が逆で、SB が先に c-bet するかチェックするかを決め、BB は SB の行動を見てから動けます。SB がチェックしたときは、BB がベットして主導権を奪いにくることになります。
全体の傾向:SB の c-bet は半分以下
SB の c-bet 頻度は約5割で、IP からオープンした BTN の 60.6% より 10 ポイント以上低くなります。OOP の SB は、ベットして BB にレイズされたときに難しい判断を迫られ、チェックしたあとも BB の行動を見てから対応しなければなりません。弱いハンドでベットして主導権を取っても、その後のストリートでポジションの不利を背負い続けることになります。そのため、打つハンドを選び、チェックする割合を増やすのが SB の基本になります。
SB がチェックしたあとの BB
SB がチェックすると、BB は平均 39.2% でベットします。内訳は 33% が 17.6%、75% が 21.6% で、大きいサイズのほうが多く使われます。SB のチェックしたレンジには強いハンドが比較的少ないので、BB は大きなサイズで圧力をかけられるのです。
特に低いボードで BB のベットが増えます。7♦7♣4♥ では 62.1%、6♦6♣4♣ では 61.9%、7♣5♦4♦ では 61.5% の頻度で BB がベットします。反対に、A が落ちたボードでは控えめで、A♣Q♦4♦ では 20.9%、A♦A♣T♣ では 21.3% です。
BB は MDF より広く守る
SB の c-bet に対する BB の対応です。
| SB の c-bet | フォールド | コール | レイズ | 守る合計 | 内訳 |
|---|---|---|---|---|---|
| 33% | 22.7% | 66.1% | 11.1% | 77.2% | |
| 75% | 42.1% | 53.2% | 4.7% | 57.9% |
33% の c-bet に対して BB が降りるのは 22.7% だけで、守る割合は 77.2% と MDF(約 75.2%)を上回ります。75% の c-bet にも 57.9% 守り、こちらも MDF(約 57.1%)とほぼ同じです。
BB が OOP になるほかのスポットでは、BB は MDF よりかなり少なくしか守りませんでした(c-betを受けたBBのディフェンスを参照)。SB 戦でここまで広く守れるのは、BB が IP にいて、コールしたあとのターンとリバーでも相手の行動を見てから決められるからです。同じ勝率のハンドでも、IP のほうがその勝率を実際の利益に変えやすいのです。
ローボードではさらに顕著で、8♣6♦4♥ では 33% の c-bet に 11.7%、7♣5♦4♦ では 12.8% しか降りません。7♦7♣4♥ では 23.0% の頻度でレイズします。
ボード別の特徴
SB が広く打てるボード:高いペアボード
Q♦Q♣5♥(99.5%)、Q♦Q♣T♥(98.9%)、J♦J♣4♣(89.5%)では、SB もほぼレンジ全体で c-bet します。サイズは 33% が中心です。ほかのスポットと同じく、高いペアボードはオープン側が有利になりやすいボードです。
SB が打たないボード:低いコネクトボードと A ハイのモノトーン
7♣5♦4♦ では SB の c-bet はわずか 17.9%、8♣6♦4♥ では 24.3%、A♣T♣5♣ では 24.5% です。低いボードは BB のレンジに当たりやすく、しかも BB は IP にいるので、SB が打てばコールして後のストリートで主導権を取り返し、SB がチェックすれば自分から打つことができます。SB はチェックして、BB のベットに対応する形を選ぶことが多くなります。
打つなら大きく:低いツートーン
8♣6♦3♦ では SB の c-bet は 33.0% ですが、その大半(26.9%)が 75% サイズです。8♣6♦4♥ でも c-bet 24.3% のうち 22.6% が 75% です。打つハンドを絞り込んで、打つときは大きく打つ二極化した戦略になっています。
30 フロップの一覧
| フロップ | 種類 | SB c-bet | 内訳(75% / 33% / チェック) | BB vs 33% フォールド | BB vs 75% フォールド |
BB ベット (SB チェック後) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Q♦Q♣5♥ | Q〜Tハイ・ペア・レインボー | 99.5% | 18.5% | 38.8% | 44.9% | |
| 8♥8♦8♣ | 9以下・ペア・レインボー | 99.4% | 14.9% | 37.6% | 52.2% | |
| Q♦Q♣T♥ | Q〜Tハイ・ペア・レインボー | 98.9% | 29.2% | 48.4% | 27.9% | |
| J♦J♣4♣ | Q〜Tハイ・ペア・ツートーン | 89.5% | 20.2% | 40.8% | 52.8% | |
| A♦A♣T♣ | Aハイ・ペア・ツートーン | 87.8% | 35.2% | 51.6% | 21.3% | |
| J♦J♣9♣ | Q〜Tハイ・ペア・ツートーン | 71.2% | 28.2% | 46.6% | 35.5% | |
| Q♣5♥5♦ | Q〜Tハイ・ペア・レインボー | 66.8% | 22.4% | 42.8% | 41.8% | |
| Q♣J♦6♥ | Q〜Tハイ・レインボー | 64.5% | 30.1% | 47.5% | 25.7% | |
| A♣Q♦6♥ | Aハイ・レインボー | 62.2% | 32.4% | 49.0% | 22.5% | |
| A♣Q♦T♦ | Aハイ・ツートーン・コネクト | 61.9% | 30.7% | 47.5% | 28.1% | |
| Q♣5♦5♣ | Q〜Tハイ・ペア・ツートーン | 57.1% | 24.7% | 44.7% | 39.1% | |
| Q♣J♦6♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 53.0% | 29.7% | 47.1% | 26.7% | |
| Q♣7♦4♥ | Q〜Tハイ・レインボー | 52.5% | 16.4% | 37.8% | 45.7% | |
| Q♣9♦3♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 52.1% | 27.9% | 45.6% | 31.3% | |
| Q♣5♦3♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 48.7% | 20.5% | 40.7% | 45.5% | |
| A♣7♦4♥ | Aハイ・レインボー | 46.6% | 24.0% | 44.4% | 38.0% | |
| Q♣8♦6♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 46.3% | 24.3% | 42.1% | 33.0% | |
| A♣6♦3♦ | Aハイ・ツートーン | 44.7% | 27.5% | 46.5% | 33.9% | |
| A♣Q♦4♦ | Aハイ・ツートーン | 44.4% | 31.2% | 48.0% | 20.9% | |
| A♣T♦6♦ | Aハイ・ツートーン | 44.2% | 30.0% | 46.1% | 24.2% | |
| 6♦6♣4♣ | 9以下・ペア・ツートーン | 44.0% | 16.2% | 37.4% | 61.9% | |
| 8♣6♣4♣ | 9以下・モノトーン・コネクト | 43.8% | 20.3% | 41.0% | 58.7% | |
| Q♣T♣6♣ | Q〜Tハイ・モノトーン | 39.3% | 27.5% | 46.4% | 29.5% | |
| J♣6♣3♣ | Q〜Tハイ・モノトーン | 39.2% | 25.1% | 45.2% | 41.3% | |
| 7♦7♣4♥ | 9以下・ペア・レインボー | 38.2% | 14.7% | 35.5% | 62.1% | |
| T♣7♦4♦ | Q〜Tハイ・ツートーン | 36.0% | 19.3% | 38.2% | 39.7% | |
| 8♣6♦3♦ | 9以下・ツートーン | 33.0% | 14.6% | 35.1% | 52.0% | |
| A♣T♣5♣ | Aハイ・モノトーン | 24.5% | 29.2% | 48.2% | 22.9% | |
| 8♣6♦4♥ | 9以下・レインボー・コネクト | 24.3% | 11.7% | 33.6% | 51.7% | |
| 7♣5♦4♦ | 9以下・ツートーン・コネクト | 17.9% | 12.8% | 34.5% | 61.5% |
c-bet の高い順。「c-bet」は SB が最初にベットする割合。BB の数値は、それぞれのサイズのベットを受けたときにフォールドする割合。ポット 6.0bb・有効スタック 97.0bb、ソルバーの誤差(exploitability)は各解ともポットの 0.5% 以下。
実戦で使える目安
- SB の c-bet は約半分。 IP からオープンしたときと同じ感覚で打つと打ちすぎになる。
- SB がチェックしたら、BB は低いボードで 6 割前後ベットする。
- BB は IP なので、33% の c-bet には 4 回に 3 回以上守る。 MDF を上回る。
- 低いボードで SB が打つなら、大きいサイズに寄せる。
ボードの種類ごとの違いを全マッチアップで比べたい方は、ボードテクスチャで c-bet はどう変わるかをご覧ください。
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