プリフロップ
3ベットとその対応:ポジションで変わる3ベット頻度と、3ベットされたときの答え
オープンレイズに対して、もう一度レイズし直すのが「3ベット」です。3ベットはプリフロップで最もチップが動く判断で、ここを間違えると、強いハンドで小さいポットしか取れなかったり、弱いハンドで大きなポットを失ったりします。この記事では、プリフロップ戦略表から全ポジションの組み合わせを集計し、「何%で3ベットするか」と「3ベットされたオープナーがどう答えるか」を整理します。
オープンに対する 3ベット頻度
前の全員がフォールドし、1人がオープンしたあとに回ってきた席の行動です。割合は 1,326 通りのコンボに対する比率です。
| 局面 | 3ベット | コール | フォールド | 内訳 |
|---|---|---|---|---|
| MP vs UTG → 8.5bb | 7.8% | — | 92.2% | |
| CO vs UTG → 8.5bb | 8.2% | — | 91.8% | |
| BTN vs UTG → 8.5bb | 7.2% | 6.6% | 86.2% | |
| SB vs UTG → 11bb | 7.5% | — | 92.5% | |
| BB vs UTG → 11bb | 6.3% | 21.1% | 72.6% | |
| CO vs MP → 8.5bb | 9.7% | — | 90.3% | |
| BTN vs MP → 8.5bb | 8.9% | 5.7% | 85.3% | |
| SB vs MP → 11bb | 8.9% | — | 91.1% | |
| BB vs MP → 11bb | 7.7% | 21.9% | 70.4% | |
| BTN vs CO → 8.5bb | 11.8% | 4.3% | 83.9% | |
| SB vs CO → 11bb | 11.2% | — | 88.8% | |
| BB vs CO → 11bb | 10.1% | 23.4% | 66.4% | |
| SB vs BTN → 11bb | 15.3% | — | 84.7% | |
| BB vs BTN → 11bb | 14.7% | 29.4% | 55.9% | |
| BB vs SB → 9bb | 19.0% | 39.6% | 41.4% |
「→」のあとは 3ベットのサイズ(ポット全体ではなく、その席が出す合計額)。
一番の傾向は、オープナーが後ろの席になるほど 3ベットが増えることです。UTG のオープンに対しては、どの席も 6.3〜8.2% 程度しか 3ベットしません。それが BTN のオープンに対しては SB が 15.3%、BB が 14.7% になり、SB のオープンに対する BB は 19.0% まで増えます。
理由はオープンレンジの広さです。UTG は全体の 17.6% でしかオープンせず、そのレンジには AA〜QQ や AK のような 3ベットに強く抵抗できるハンドの割合が高くなります。3ベットしても弱いハンドを降ろせる余地が小さいので、3ベットは本当に強いハンドと、少数のブラフに絞られます。BTN は 41.5% と広くオープンするため、3ベットに耐えられないハンドが多く含まれ、ブラフの 3ベットがよく通ります。
コールが選択肢にあるのは BTN と BB だけ
表の「コール」の列を見ると、値があるのは BTN と BB だけです。MP・CO・SB は、オープンに対して3ベットかフォールドのどちらかで、コールはしません。
- MP・CO:後ろにまだ BTN・SB・BB が残っています。コールすると、後ろからスクイーズ(オープンとコールに対する 3ベット)を受けやすく、ポジションも最後ではありません。
- SB:コールするとフロップ以降は最初に行動する OOP になり、さらに BB も安く参加してきます。最も不利な形でポットに入ることになるため、3ベットで主導権を取るか降りるかに分かれます。
- BTN:フロップ以降は必ず最後に行動できるので、コールでも勝率を実現しやすい席です。それでもコールは UTG のオープンに対して 6.6%、CO に対して 4.3% と少数で、多くのハンドは 3ベットかフォールドに振り分けられます。
- BB:すでに 1bb を払っていて、最後に行動するので、安い値段でコールできます。BB のコールについてはBBディフェンスの記事で詳しく扱いました。
3ベットのサイズ:IP は小さく、ブラインドは大きく
2.5bb のオープンに対して、MP・CO・BTN は 8.5bb(オープンの 3.4 倍)、SB と BB は 11bb(4.4 倍)に 3ベットします。SB のオープン(3bb)に対する BB の 3ベットは 9bb です。
ブラインドのサイズが大きいのは、フロップ以降を OOP で戦うからです。OOP の側は、相手に安くコールされてポジションを利用されると不利になります。大きく 3ベットしておけば、相手はコールしにくくなり、コールされた場合もポットに対するスタックの比率(SPR)が下がって、ポジションの差が効きにくくなります。
3ベットされたオープナーの答え
オープンしたあとに 3ベットされたとき、オープナーはフォールド・コール・4ベットのどれを選ぶのか。下の表の割合は、そのオープナーがオープンしたハンドに対する比率です(オープンしないハンドは含みません)。
| オープナー vs 3ベッター | 4ベット | コール | フォールド | 内訳 |
|---|---|---|---|---|
| UTG vs MP IP の 3ベット | 21.4% | 14.2% | 64.4% | |
| UTG vs CO IP の 3ベット | 23.6% | 12.5% | 63.9% | |
| UTG vs BTN IP の 3ベット | 22.2% | 20.3% | 57.5% | |
| UTG vs SB | 12.5% | 30.8% | 56.7% | |
| UTG vs BB | 10.9% | 35.1% | 54.0% | |
| MP vs CO IP の 3ベット | 22.3% | 12.5% | 65.3% | |
| MP vs BTN IP の 3ベット | 22.4% | 17.4% | 60.2% | |
| MP vs SB | 11.9% | 32.0% | 56.1% | |
| MP vs BB | 10.2% | 36.1% | 53.6% | |
| CO vs BTN IP の 3ベット | 21.7% | 14.5% | 63.9% | |
| CO vs SB | 11.3% | 32.1% | 56.6% | |
| CO vs BB | 11.3% | 33.9% | 54.8% | |
| BTN vs SB | 10.6% | 33.2% | 56.2% | |
| BTN vs BB | 11.2% | 34.4% | 54.4% | |
| SB vs BB | 19.0% | 32.2% | 48.8% |
はっきりした違いが出るのは、3ベットしてきた相手がどこに座っているかです。
後ろの MP・CO・BTN から 3ベットされると、コールしたオープナーはフロップ以降を OOP で、しかも大きくなったポットで戦うことになります。そこでコールは平均 15.2% に抑えられ、4ベットが 22.3% と多くなります。「OOP で 3ベットポットを打つくらいなら、4ベットで決着を付けるか、降りる」という配分です。
ブラインドから 3ベットされた場合は逆で、オープナーはフロップ以降を IP で戦えます。3ベットのサイズは 11bb と大きく、コールに必要な勝率も 37.8%(IP からの 8.5bb の 3ベットなら 32.4%)と高くなりますが、それでもコールが平均 33.5% に増え、4ベットは 11.2% に減ります。ポジションを持てることの価値が、値段の差を上回っているのです。
フォールドの割合は、どの組み合わせでもオープンしたハンドの半分強です。「3ベットされたらほとんど降りる」のでも「オープンしたからには続ける」のでもなく、およそ半分前後を続けると覚えておくとよいでしょう。SB のオープンに BB が 3ベットした場合は 48.8% とやや降りが少なくなります。BB の 3ベットが 9bb と小さく、BB の 3ベットレンジ自体も広いためです。
ハンド別の例
同じハンドでも、どこから 3ベットされたかで答えが変わります。数字はそのハンドの 4ベット / コール / フォールドの割合です。
| ハンド | 4ベット | コール | フォールド |
|---|---|---|---|
| JJ | 90% | 10% | 0% |
| 99 | 41% | 59% | 0% |
| AKo | 89% | 11% | 0% |
| AQo | 88% | 12% | 0% |
| AQs | 6% | 94% | 0% |
| AJs | 13% | 87% | 0% |
| KQs | 32% | 68% | 0% |
| KQo | 9% | 3% | 88% |
| A5s | 28% | 30% | 42% |
| T9s | 0% | 31% | 69% |
| ハンド | 4ベット | コール | フォールド |
|---|---|---|---|
| JJ | 47% | 53% | 0% |
| 99 | 0% | 100% | 0% |
| AKo | 65% | 35% | 0% |
| AQo | 34% | 66% | 0% |
| AQs | 0% | 100% | 0% |
| KQs | 0% | 100% | 0% |
| KQo | 20% | 80% | 0% |
| A5s | 6% | 94% | 0% |
| T9s | 0% | 100% | 0% |
| 22 | 0% | 33% | 67% |
注目したいのは、スーテッドとオフスートで答えが分かれるハンドです。BTN に 3ベットされた CO は、AQs をほとんどコールで続ける一方、AQo はおもに 4ベットします。KQs はコールが中心ですが、KQo はほとんどフォールドです。スーテッドのハンドはフラッシュの可能性があるぶん、コールしてフロップを見たときに勝率を実現しやすく、OOP でも続ける価値があります。オフスートのハンドはフロップ以降の伸びしろが小さいので、4ベットで今すぐポットを取りに行くか、降りるかに寄ります。
BB に 3ベットされた BTN は、全体にコールが多くなります。99 や T9s のような中くらいのハンドも、IP で戦えるのでほぼすべてコールで続けます。逆に、ペアの中でも 22 のような低いポケットはフォールドが多くなります。大きなポットに対してセットを引く確率は低く、IP でもそれだけでは割に合わないからです。
レンジ表で見る
赤がレイズ(3ベット・4ベット)、緑がコール、塗りのない部分がフォールドです。3ベットされた側の表(2枚目・3枚目)では、そもそもオープンしなかったハンドも塗りなしで表示しています。
実戦で使える目安
- 早い席のオープンには 3ベットを絞る。 UTG に対しては、どの席も 1 割を下回る。BTN のオープンには 15% 前後、SB のオープンに対する BB は 2 割近くまで広げる。
- MP・CO・SB はコールしない。 3ベットかフォールドかで考える。コールが選択肢になるのは BTN(少し)と BB(多い)。
- ブラインドからの 3ベットは大きめ(11bb)、IP からは 8.5bb。
- 3ベットされたら、オープンしたハンドの半分前後を続ける。 相手が後ろの席なら 4ベット寄り、ブラインドならコール寄り。
- スーテッドはコール、オフスートは 4ベットかフォールドに寄る。 特に OOP になるとき。
この記事の局面は、プリフロップ・ドリルの「3ベットに直面」で 1 問ずつ練習できます。レンジ全体はレンジ表ビューアで確認してください。
この記事のスポットは、GTO トレーナーで実際のハンド形式で練習できます。ログイン不要・無料です。
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